ブースケのドイツなんでも日記

南ドイツ、ミュンヘン在住のブースケ日記。 毎日の生活の中で面白いテーマをドイツからお届けします。

Freitag, Februar 17, 2006

外国人としてドイツに住む

まだドイツに来て間もない時の事です。

同じ語学学校で知り合った日本とドイツのハーフの友達が言った一言。
「日本では外国人に見える人は”外人”扱いされるけれど、ドイツではドイツ語がドイツ人並に話せればドイツ人として扱ってもらえる。」
正直、この一言は私にとってかなりな衝撃だった。
外国人の私でもいつかドイツ語が上手くなれば、外国人としてではなく対等にドイツ人として扱ってもらえる�
別にドイツ人にはなりたいわけではないけれど、「外国人=不利」と考えていた私にとってはとても対等な扱いに思えたのです。
それから、この言葉は私にとってドイツ語を学ぶ励みでした。

しかし、しばらくしてから「ドイツ人として扱われる事に対して疑問を持つようになった。
ドイツ人としてのルーツも背景も持っていないのにドイツ人として扱われるということは自分のルーツは何処へ行ってしまうんだろう、という疑問。

ドイツでは2001年の国籍法改革により、外国人でもドイツで生まれた子供は出生と同時にドイツ国籍を取得出来ることになった。
大人の外国人でも従来の15年に代わり8年以上滞在するだけで市民権請求の権利を得られるらしい。

実際にドイツに多いトルコ系の人達って、国籍上ではドイツ人が多いんだよね。この人達ってドイツ籍なのに家庭では母国語を話続けている為、ドイツ語が不自由な人が多いとのこと。ドイツの社会問題のひとつです。

・・・なので、ドイツ語に不自由しなくなるとドイツに8年以上住んで�?るいわゆるドイツ国籍を持っている人に思われることもある。
しかも滞在8年以上で本当にドイツ国籍も持てるようになる・・・ってことはドイツ人にもなれる?
そうなるとますます自分のルーツを見失いがちになってしまう。

今回、このテーマについてインターネットで調べてみてとっても面白いHPを見付けた。
Die Kreuzungsstelle (ドイツ語で交差点という意味)
http://www.kreuzungsstelle.com/index.html 
ここにはいろいろなバックグラウンドを持った人達によるコラムが載っている。
その中で特に興味深かったのが日本に住むハーフの人達が書いたアイデンティティについてのコラム集。

両親の国籍が違う人、異国で生まれ育った人、そして私のように異国に住んでいる人。
皆それぞれ自分を見つけるべく、いろいろと考えているんです。
国籍とかパスポートだけでは判断できないアイデンティティの問題。
日本に住んでいた時にはあまり考えなかった事ですが、ドイツで外国人として暮らしていて違う視点で見える機会に恵まれたと思います。

外国人として暮らすということは偏見、特別扱い、などなど他と違う扱いをうけます。(もちろん悪い面だけでもなく、いわゆる外国人ボーナスとか得する面もあると思いますけどね。)
電車の中でじろじろみられたり、いきなり「ニーハオ」と知らない人にすれ違いざまに言われたりなんて、よくある事です。

言葉が例え(あくまで例えですよ。私はマダマダですけど。)パーフェクトだとしても見かけだけで偏見を受ける事もある、これも残念ながらドイツの現状です。
正直、「日本で暮らしていたらこんな嫌な思いはしなくてよかったのに。」と思った事も何度もあります。
で も、日本に暮らしている外国人、ハーフの人が違う環境にあるかと言うと、それはそうではないんですよね。偏見とか差別はどこにでもある。これは、悲しいけれど事実なんです。

でも!!!それと同時に国籍を越えた付き合いとか関係もあるって事を私は知ってます。
ドイツ語がつたなかった頃から私を個人として認めてくれた人達。そんな人達がいるから、今でもドイツで頑張ってこれたし、これからも頑張りたいと思います。
ドイツに来て、国籍以上に自分を持つことの大切さを学びました。日本人・外国人の枠とか定義以上に、私自身、つまり個人をしっかりさせる努力って大事なんですよね。
これからも枠を越えたお付き合い、大切にしたいと思います。


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4 Comments:

  • At 15:12, Blogger Marinka_ilmondo said…

    busukeさん
    読んでいてスッキリした気分になりました。
    外国で暮らす外国人(私たちも含めて)には、いろいろな壁や悩みが付きもの…。だからこそ、外の国で暮らすことに一層の刺激を受けて頑張れるのではないか…と思います。
    釘を打つ人がいれば、抜いてくれる人がいる…そんなバランスが自分達の人生にはきちんと用意されているんですよね…。
    ドイツでの生活、いろいろあるかと思いますが、元気で頑張ってくださいね!busukeさんのように「心」が元気だと「体」も元気でいられることと思います!

     
  • At 10:32, Blogger Minako said…

    私もまだ外国暮らしは2回の合計でも7年ちょっとですのでどう考えても日本人のルーツを捨てる気持ちはありませんが、ここにいる移民の中には差別されようが、自分の国、(彼の場合イラク)の国籍なんか欲しくないみたいな人もいます。この人の場合、クルド人だからそう。スウェーデンに一歩足を入れた瞬間に自分の国籍を変えた聞いて複雑な事情の人っているんだなと思いました。
    私もCha chaさんと同じように考えます。子供はスウェーデン人を選ぶだろうな、私はやっぱり日本人としてスウェーデン人の旦那と一緒にこちらのお墓にはいるのかな??なんて。

     
  • At 23:53, Anonymous Anonym said…

    アイデンティティというのは、本当に難しい概念ですね。
    僕の場合は、遅くとも数年後には日本に戻ることが大前提でドイツで暮らしているから、やはり日本はいつも意識してます。でも、busukeさんなど現地の方と結婚して海外で生活している皆さんは、僕とは当然違った思いがあるんでしょうね。
    だからそれほど国籍とか社会システムについてよくよく考えたりすることはありませんが、こちらで生活して実感できたことがあります。それは、国籍が違ってもちゃんと努力していればそれを見ていて評価してくれる人がいるということです。もちろんその間に偏見とか言葉の壁がある以上、その分骨は折れますが。
    これが実感できただけでも、海外で生活して本当によかったなと思えることだし、自信にもなります。busukeさんの考えに全くの同感ですね。

     
  • At 00:11, Blogger busuke said…

    bambinaさん、
    「壁が刺激になる」ってとても良い言葉ですね。
    まさしくそんな思いでこれまでやってきました。
    釘を刺されても、刺されても、抜いてくれる人たちが周りにいてくれるって幸せです。
    私にとってはブログ仲間の皆さんも釘を抜いてくれている人たちなんですよね。
    いつも、温かいコメントどうもありがとうございます。

    ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
    cha chaさん、
    将来ハーフの子供を持つ事を考えると、クロイツングに投稿されているコラムはかなり複雑な気持ちで読みました。
    私も子供には二重国籍を持たせたいと思っていますが、それが私のエゴで終わるのかは未知の世界ですよね。
    私の場合は日本人としてドイツに住んでいて、特にマイナス面がないので、これから先もドイツ人になるつもりはありません。
    でも、どこまでこっちに順応するべきか、たまにとても悩まされます。
    最近は日本人の友達といる時に、「ドイツ人っぽくなったね。」といわれる機会が多くなってきたので、気をつけないと。

    ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
    minakoさん、
    海外在住歴が長くなればなるほど、アイデンティティの問題って大きくなりますよね。
    特にminakoさんやcha chaさんのように、お子さん+旦那様が外国籍の場合はいろいろと大変だろうと思います。
    私も将来、ドイツ人の家族に囲まれて、ドイツ人の旦那と一緒にお墓に入ることになるんだろうな。
    だから自分の日本人の部分を余計大切にしていきたいなぁ、と思います。

    ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
    jassiさん、
    日本に帰る事が前提だからこそ、ドイツでの今の生活は濃厚なものでしょうね。
    これからの人生の糧になる数年をこちらで培っていってくださいね。
    私も国籍とかパスポートについてあまり考えた事はなかったのですが、こちらで生活する時間が長くなるごとに(特に自分の子供の事を考えると)意識するようになりましたね。
    言葉の壁、国籍を越えたものってやはりどこでもあるんですよね。
    人間同士の付き合いとか、友情、愛情、とかって、言葉、国は違っても分かり合えるものだと思うし、仕事での努力が評価されたり、やはり見ている人はちゃんとに見ていてくれるんですね。

     

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